一秒の世界

途中から見た。海流に乗って世界中から対馬の海岸に流れ着くゴミを前にスタッフがリポーターのにしおかすみこにアホウドリの体内から発見されたゴミの写真を見せる。それを見たにしおかが島のみんなにも漂流ゴミの掃除を手伝ってもらおう、とその写真を持って島民や小学生に声をかける。そして海岸の掃除に駆けつける島民たち。イイハナシダナー。でもなー。漂流ゴミを捨てたのは島民じゃないわけで漂着ゴミの被害者でしょ。それを他所から来た人間が環境保護だ動物がかわいそうだって、ゴミ拾いさせるのはどうかなー。で、島の職員が「ゴミ処理にも税金がかかるんですよ。」「税金が!」と来たもんだ。そりゃ、そうだろう。そこで出演者のでんじろう先生の知恵。みかん汁の成分で発泡スチロールを溶かすことに。なんか数日前にも深夜番組でクワバタオハラ西表島で小学生と一緒に海岸の発泡スチロールを溶かすのを見たなー。女性芸人が海岸で小学生と発泡スチロール溶かすの流行ってるのかしら。つかクワバタオハラはテレ東で高橋英樹とやってる番組とか家電製品禁止とかエコっぽい企画向けの芸人なのか。で、ゴミが減ってよかったね、でこのコーナーは終了。


インドの難病の兄弟は地球ジオグラTVで加賀まり子に「でも兄弟で病気でよかった」って言われてた人だ。うーん、いのちの一秒とか言われても日本でも死に直面してる人はいる訳で、好奇の目で寄ってくるインドの人たちとか映しても、この企画自体が絵的なインパクト求めてるんでしょうが。


で、ここからがひどい。戦車や戦闘機は自動車の何千倍のCO2を出すという前振りから平和憲法常備軍を持たないコスタリカ環境保護大国で自然豊かな国なのに、隣のニカラグアは軍隊があり貧困に喘いでいる、と二つの国を紹介。ニカラグアからのリポートではゴミ捨て場からゴミを拾って暮らしてる人たちの映像。確かに貧困だし、環境は悪いけどゴミのリサイクル、環境保護じゃないですか。一方、コスタリカの映像はニカラグアからの出稼ぎ移民でニカラグア軍の退役中尉の警備員に「軍隊なんていらない」とコメントさせてる。うーん、環境保護番組なのか平和主義番組なのか主張が揺らいで来たぞ。そもそも軍隊の有無だけでそこまで貧富の差が生まれるとは思えん。国内情勢の差でしょ。というかコスタリカ環境保護って元々、自然豊かだったのを国立公園や観光資源として森林を保護してるだけで軍隊のC02排出量云々は関係ないよな。最近、温暖化でツボカビが増えてコスタリカの希少種のカエルが全滅してるというニュース見たけど、温暖化は世界規模だからコスタリカも温暖化してるしね。というか自動車が走ってるコスタリカより貧困呼ばわりされて裸足でゴミ拾ってるニカラグアのほうが国としてCO2排出量少ないんじゃないですかね。


でさぁ、番組の主張の前提をひっくり返すとコスタリカって常備軍の代わりに武装警察が準軍隊として存在するんですよねー。日本の自衛隊やその前身の警察予備隊みたいなもんでしょうか。で、ちょっとぐぐるコスタリカアメリカの米州機構で安全保障条約結んでたり、隣国ニカラグアの三倍の軍事予算(警察予算か?)使ってたり、隣国ニカラグアの内乱を支援して革命を成功させたり、イラク戦争を支持したり撤回したりと、なんとも素晴らしい平和国家でありますなぁ。というわけでコスタリカには軍隊が無いから軍事費を環境保護や教育に回すことができて、コスタリカは裕福という主張には成り立たないんじゃないですかね。


VTRの後の世界中の軍事費があれば、こんなことが出来るというコーナーも、地雷除去、教育や水道はいいと思うんですけど、11兆円(だったかな?)あれば食糧支援で餓死者をなくすことが出来る、とか発展途上国人口爆発や食物生産の限界や貧困に対する根本的解決じゃないんですけど、どうするんでしょうか。コスタリカあたりの豊かな自然を切り拓いて農場でも作りますか?
 もうね、真面目な番組作るんなら環境保護と平和主義幻想を結びつけたり、でもとりあえず人が死ぬのは駄目、みたいな考えはどうにかしろよ。救いの無い番組になるけどそれが現実だろ。