つーか、これ日記?日記。

「病院に新しい院長が来てから、どんどん入院患者が減ってる気がしてたんだよ。
 なんかさ、手術室にはいつも手術中の赤いランプがついてたし・・・。
 それと食事、こっちは入院中の楽しみだから間違いねぇんだけど、肉料理が・・・急に増えたりな。」
「うえー、もしや人肉ッスか。」
「おいおい、お前、そんな病院に入院してたってのかよ。」
「今さらホラー話じゃなくてホラ話でした、なんてな。」
「ギャハハ、なんだそりゃ。ホラーとホラ。ギャグで涼しくなってどうすんのよ。」
「まぁ、実は新しい院長が腕利きで、手術と食事療法で患者をどんどん退院させてたってオチなんでしょ。」
「あのさー、怪談の途中でそういう雑談挟むの止めろよ。怖くなくなるって。」
「もういいだろ、明日も早いんだしもう寝ようぜ。一旦、電気付けろ。」
「待て!電気つける前に・・・今の、今の話してた奴って誰だ。
 去年の秋に入院してた奴なんて、この大部屋に。」

すーっ、と窓から生ぬるい風が流れ込んできて。


虫の声。




誰かが電気をつけると、その病室には誰もいなかったという。








って、じゃあ誰が見たんだよ。